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福島原発事故・チェルノブイリ原発事故
Nuclear Free Now 脱原発世界会議2
アレクセイ・ヤブロコフ博士「チェルノブイリの教訓」
補足・解説
関連資料
寄せられた感想
文字起こし

2012年12月15日〜16日 東商ホール、日比谷公園

WEB&YouTube配信2013年1月16日、制作:映像ドキュメント.com

脱原発世界会議2でのアレクセイ・ヤブロコフ博士(ロシア科学アカデミー、生物学者)の発言より、チェルノブイリ原発事故の健康被害に話を絞って再構成した。

ヤブロコフ博士は、ガンは健康被害の一部にすぎないとして、様々な疾患・障害の増大を報告、危険な汚染レベルについて、長期にわったって住み続けるなら1キュリー/km2の場所でなんらかの健康被害が出ていると語った。
1キュリー/km2=3万7000ベクレル/m2で、その場所の空間線量は、換算すると自然放射線も含め年1ミリシーベルト程度である。(セシウム137から年0.74ミリ+自然放射線から年0.35ミリ)

ここ日本でも同様のことが起こるという博士の警告を受けとめてほしい。チェルノブイリの現在は福島原発事故の26年後でもある。
(荒川俊児)

Nuclear Free Now 脱原発世界会議(http://npfree.jp/)

WMV再生 PLAY 23分24秒(WMVファイル 205.3MB)

◎映像を文字に起こしました⇒アレクセイ・ヤブロコフ博士「チェルノブイリの教訓」文字起こし(http://www.eizoudocument.com/0645yablokovtxt.html)


再生 PLAY 23分24秒(WMVファイル 205.3MB) YouTubeで見る

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●話を理解するための補足・解説

◎危険な汚染レベル1キュリー/km2

ヤブロコフ博士は、危険な汚染レベルについて「長期にわたって住みつづけるなら1キュリー/km2の場所でなんらかの健康被害が出ている」と語った。

1キュリー/km2は土壌(土表面)の放射能汚染をあらわしたもので、現在使われている単位でいうと

1キュリー/km2 = 3万7000ベクレル/m2

となる。

チェルノブイリ事故当時は、放射能の強さをあらわす単位としてキュリー(Ci)が使われていて、当時明確な定義はなかったけれど1キュリー/km2以上の場所を「汚染地域」と呼んでいた。

この発言にある「1キュリー/km2の場所でなんらかの健康被害」について講演のなかで展開してくれなかったのが悔やまれるのだが、低線量であっても長期間被曝しつづけたときには(チェルノブイリ事故後もうすぐ27年)、そこに住む個々人には、講演にあった様々な疾患・障害のうちのひとつかもしれないし、症状としては軽度かもしれないが、なんらかのかたちで出ているということなのだろう。

地図・地表面のセシウム134、137沈着量
地図拡大
セシウム134+137沈着量の地図

この汚染レベル、つまり「汚染地域」を福島原発事故にあてはめると、現在の単位では3万7000ベクレル/m2で、大ざっぱにいうと、この文科省が公表した地図の薄緑に塗られたところ(単位が変わったので3万ベクレル/m2が区分になっている)以上ということになる。

(現在の単位になってからの「汚染地域」がどのレベルをさすのか聞いたことがないが、文科省の地図区分からすれば1万ベクレル/m2以上は「汚染地域」と考えるべきだろう)

◎1キュリー/km2の場所の空間線量

1キュリー/km2は、土壌に降った放射能(放射性物質)の量を示したものである。
その放射能から出る放射線が人体に悪さをするわけで、その放射線量をあらわす単位がシーベルト(Sv)になる

シーベルトは、その場所での放射線量をあらわす単位(厳密にはグレイGrという単位がある)でもあり、それを受ける人間の影響の度合いをあらわす単位でもある。

1キュリー/km2の場所で放射線量(空間線量)がどれだけになるかは、計算方法がある。

ただ私にはその計算ができないので、チェルノブイリ事故後に高木仁三郎さんにおしえてもらったのを書くと、

セシウム137が1キュリー/km2=3万7000ベクレル/m2あったときの空間線量は、米国方式で計算すると、年0.74ミリシーベルト

とのことだった。

汚染がなかったときの空間線量は、0.04マイクロシーベルト/時(年0.35ミリシーベルト)ぐらいなので

1キュリー/km2のセシウムから年0.74ミリ
自然放射線から年0.35ミリ

で、足すと年1.09ミリシーベルトということになる。

それで映像では、「1キュリー/km2=3万7000ベクレル/m2の場所の空間線量は自然放射線も含め年1ミリシーベルト程度」とした。

【追記】
1キュリー/km2の場所の空間線量については、別の文献もあった(『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』田崎晴明)。こちらはセシウム137と134が6対4で存在する場合、つまり2012年の日本にみあった計算になっている。
詳しくは⇒地表のセシウムによるガンマ線の空間線量率(http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/CsonGround.html)

これによれば、その場所の空間線量はセシウムによって年1.08ミリシーベルトとなる。
これに自然放射線(年0.35ミリ)をたすと、その場所の空間線量は年1.43ミリシーベルトになる。(2012.1.21追記)

このほかにも補足した方がわかりやすいと思うことがあるので、順次加えていけたらと思う。質問があればお寄せください。

2013.1.18、1.21(荒川俊児)

●関連資料

ヤブロコフ博士の講演スライド「市民社会にとってのチェルノブイリ事故の教訓」(PDFファイル)(http://www.eizoudocument.com/06genpatsu/45slides.pdf)
・ヤブロコフ博士の講演資料「低線量被ばくの問題 公的な放射線安全概念の不正確さ」(PDFファイル)(http://www.eizoudocument.com/06genpatsu/45abstract.pdf)

◎ヤブロコフ博士らの著書

Chernobyl : Consequences of the Catastrophe for People and the Environment 『チェルノブイリ──大惨事が人々と環境におよぼした影響』

チェルノブイリ原発事故の影響について長年研究に携わってきたヤブロコフ博士らの研究チームがまとめた集大成といえる報告書。英語版は2009年にニューヨーク科学アカデミーから出版された。現在、日本語版の翻訳が進められている。
報告書の一部が暫定訳のかたちで以下のサイトで公開されている。

チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト(http://chernobyl25.blogspot.de/)
『Chernobyl : Consequences of the Catastrophe for People and the Environment』英語版PDF(http://www.strahlentelex.de/Yablokov%20Chernobyl%20book.pdf)

◎日本の新生児死亡率

発言のなかにある日本の新生児死亡率は、ドイツの放射線防護専門誌『放射線テレックス』2012年12月号に発表されたもの。

日本の新生児死亡率は、事故から2か月後と9か月後に標準偏差を超えるピークを示している。チェルノブイリ後の西ドイツでも同様の傾向があり、放射線による妊娠中の重要な期間における胎児への影響の結果と解釈されたという。
また2011年12月だけ日本での出生数が落ち込んだことにも触れ、ドイツのバイエルン地方で同様のことが起こったこと、ドイツでは放射線による受胎後数日間における卵細胞の損傷が原因と考えられたと報告している。

訳文は⇒放射線防護専門誌「放射線テレックス」12月号 フクシマ事故後の日本での新生児の死亡率(http://donpuchi.blogspot.jp/2012/12/12_19.html)ブログ「無限遠点」
原文ドイツ語PDF(http://www.strahlentelex.de/Infant_mortality_in_Japan_after_Fukushima.pdf)

●関連サイト

Nuclear Free Now 脱原発世界会議(http://npfree.jp/)

FoE Japan 脱原発世界会議2 チェルノブイリから学ぶ(http://www.foejapan.org/energy/evt/121215.html)
FoE Japan 講演会「低線量被ばくの健康影響:国際機関の放射線安全概念を問う」12月14日(http://www.foejapan.org/energy/evt/121214.html)

チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト(http://chernobyl25.blogspot.de/)

●話し手紹介

アレクセイ・ヤブロコフ Alexey YABLOKOV

ロシアの著名な環境問題専門家。動物学および海洋生物学を修め、1974年にロシア科学アカデミーの会員となる。1991年から1993年にかけて生態学と公衆衛生についてロシア大統領の顧問を務めたのち、ロシアに隣接する海洋への放射性廃棄物の投棄問題に関する国家委員会委員長を務めた。ロシア環境政策センターの設立者で所長。また2006年よりロシア「緑の党」の代表も務める。
(脱原発世界会議2パンフレットより)

1933年モスクワ生まれ。モスクワ州立大学卒業。生物学博士号(海生哺乳類)取得。ソ連科学アカデミー動物形態学研究所。28の集団生物学、進化生物学、放射線生態学、環境政策に関する本の著者。
1974年〜 ソ連・ロシア科学アカデミー客員
1988年〜91年 ソ連水産省の魚類学委員会議長
1989年〜91年 ソ連最高会議生態委員会副議長ソ連人民代議員
1991年〜93年 生態・公衆衛生に関するロシア大統領顧問
1992年〜93年 ロシア領周辺海域への放射性廃棄物処理問題に関する国家委員会議長
1993年〜97年 ロシア国家安全評議会省庁間生態安全委員会議長
1993年〜05年 ロシア環境政策センター創立者および代表
1998年〜 ロシア科学アカデミー生態緊急問題に関する科学評議会副議長
1996年からアメリカ芸術科学アカデミー名誉会員
2008年から国際海生哺乳類学会会員
欧州放射線リスク委員会(ECRR)の共同設立者
2005年「緑のロシア」政党主席
12月14日の講演会の資料より)

●当サイト内の関連映像

◎チェルノブイリの健康被害

ベラルーシとウクライナからチェルノブイリの放射線影響の専門家を招き開催された講演会を記録したDVD
DVD『講演会・低線量被曝に向き合う』(http://www.eizoudocument.com/0638DVD003.html)

◎チェルノブイリ原発事故

チェルノブイリ原発事故の様々な映像を日本において再構成し、高木仁三郎さんが解説したDVD
DVD『ドキュメントチェルノブイリ』(http://www.eizoudocument.com/0618DVD002.html)

●寄せられた感想

ヤブロコフ博士のインタビューを見て思ったことをいくつか。
この事実をしっかりと受け止めなければ行けないと思いを新たにしました。
先天性奇形の写真には衝撃を受けました。ヴェトナム戦争での枯れ葉剤、水俣の水銀を思い出させます。インタビューとして聞き流してしまうことも、映像一枚で事実が頭に残ります。その意味でも早期老化の意味を持つ映像があると良いのですが・・・。
グラフに関してはその読み方に説明があっても良いかも知れません。
この講演から放射能汚染は国・地域というレベルを超え、地球そのものの環境を破壊してしまうと感じられます。
福島の高濃度汚染地域では野生化した牛や犬や猫の子孫、植物に何か影響があるのでしょう。何年間後には真綿で頭を絞められるれる感じでジワジワと汚染の実態が表れてくるのを感じます。その時に元気で活動できているか分かりませんが、ある意味での「理論武装」は必要と思います。今、国が浮かれているときこそ足固めを今以上にする大切さをこの講演からも実感します。
無理な注文ですが、映像として見た場合、国がどのような取り組みをしているのか否かを入れてみるのも一つの手段なのかな。
私感ですが、ラストの市民広場が冒頭と同じ市民広場のリフレインであると分かるようにされた方がよいかもと思いました。初見の時はラストの市民集会を講演の後かと感じてしまいました。
市民主体の行動は「政府と原子力産業は真実が暴かれることを恐れている」真実を暴く一助になって行くでしょう。
千葉県柏市では事故前落ち葉などを可燃ゴミとして回収していましたが、現在は不燃ゴミに変わったそうです。
PS;時間が許せば荒川氏の解説付きで上映してみるのはどうでしょう。
(2013年1月20日 東京 JAZZ喫茶映画館)

これから京都に行きますので急いで書きます。
大変な力作、ご苦労さまでした。全体の主旨はよく分かりましたし、このテイストは映像ドキュメントらしい渋さが出ていて好感が持てます。
要は、原発については日本中でもっと真剣に考えなければならないということ、1ミリシーベルトは許容量という言葉に騙されていはいけないということが伝わってと思います。
小出裕章氏もどこかで言っていましたが、この国では、後になって騙されたというけれど、なんで騙されたのかを考えなければ、教訓にならない、無責任の再生産でしかないと。
現政権下では、そういうレベルで対抗していかないといけないレベルに来ていると思いますので、こういうものをどんどん出して、騙されたじゃ済まないぞという姿勢を持続したいものです。
その意味で、チェルノブイリの事例は一種のアーカイブ視聴であり、それはビキニのアーカイブとも重なってきます。
で、今後のことですが、映像の間に、荒川キャスター?がでて、簡単な解説、補足をしたほうがいいと思いました。(⇒続き
(2013年1月18日 東京 桜井均)

慄然たる映像でした。とくにいくつものグラフ。
まだ一回見ただけなので、何回か見て、発言をのみこみたいと思います。
博士も母国語でなく、隔靴掻痒な感じも受けますが。
でも1ミリシーベルト・年というのは外部、内部、自然放射線を含めると東京でもそのくらいいっちゃうんではありませんか?
ガン以外の健康被害が大きいということはほかの雑誌でも読みました。また50歳以上だからもういいのよ、というけど、気にせず放射性物質を摂取していると、健康な老後というものをおくれなくなる、とも読みました。
(2013年1月18日 東京 森まゆみ)


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Nuclear Free Now
 
Nuclear Free Now 脱原発世界会議2
日時:2012年12月15日(土)〜16日(日)
会場:東商ホール、イイノカンファレンスセンター(ルームA)
テーマ:(1)原子力を規制する、(2)IAEAと放射線被ばく、(3)脱原発社会をつくる
国際ゲスト:ポール・ガンター(アメリカ)、アレクセイ・ヤブロコフ(ロシア)、アンゲリーナ・ニャーグ(ウクライナ)、ミランダ・シュラーズ(ドイツ)、キム・へジョン(韓国)、アンドレイ・オストロフスキ(リトアニア)ほか多数

Nuclear Free Now さようなら原発世界大集会
12月15日、日比谷野外音楽堂

Nuclear Free Now 世界大行進
12月15日、日比谷

Nuclear Free Now 市民ひろば(主催:アースガーデンほか)
12月15〜16日、日比谷

フクシマ・アクション・プロジェクト
日時:2012年12月15日(土)〜16日(日)
郡山市でIAEA閣僚会議に対するアクションや市民集会を行う予定です。

脱原発をめざす首長会議
12月15日午後、「脱原発をめざす首長会議」の勉強会が郡山市内で開催されます。傍聴可能。詳しくは:http://mayors.npfree.jp

主催:Nuclear Free Now 実行委員会(http://npfree.jp/)
事務局・連絡先:〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1-B1ピースボート内 Tel:03-3363-7561 Fax:03-3363-7562

◎関連イベント
チェルノブイリから学ぶ〜低線量被ばくの健康影響:公的な放射線安全概念のおかしさ〜

チェルノブイリ事故後、国際原子力機関(IAEA)などの国際機関は、「放射線の影響と疾患との因果関係が証明できない」とし、小児甲状腺がんなど限られた疾患を認めたのみでした。
『チェルノブイリ−大惨事が人びとと環境に及ぼした影響』の著者でロシア科学アカデミーのアレクセイ・ヤブロコフ氏からお話を伺い、なぜIAEAなどの国際機関が低線量被ばくの健康影響を過小評価しているのか、科学的に検証します。
日時:2012年12月14日(金)18:30〜20:30
会場:会議室 内海 3F教室(千代田区三崎町3-6-15)水道橋駅、飯田橋駅、九段下駅、神保町駅など
定員:120人、参加費:1000円 申込み不要
主催: FoE Japan、福島老朽原発を考える会
協力: Nuclear Free Now実行委員会

 

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掲載2013年1月16日
更新2013年4月 2日