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ベネズエラ危機2019 平和と安定のために
駐日本ベネズエラ大使緊急会見+有識者の緊急声明会見


2019年2月1日(金)日本プレスセンター、セイコウ・イシカワ駐日本ベネズエラ大使緊急会見
2019年2月21日(木)日本記者クラブ、ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明

WEB&YouTube配信2019年3月5日、制作:映像ドキュメント.com

ベネズエラが緊迫している。米国は、ベネズエラの現政府マドゥーロ大統領は独裁政権だとして経済制裁・経済封鎖を強化、無名だったグアイド議員を後押しして暫定大統領を宣言させた。
前チャベス大統領のときには失敗したが、第2のクーデターのもくろみが進行しているといえる。

遠いラテンアメリカのことでこれまでの経緯が見えず、「独裁か民主化か」といった単純化した図式がはびこるが、内実はどうなのか? 突如浮上したグアイドなる人物とは? 経済混乱の原因は? ハイパーインフレはなぜ起こったのか? 現地調査した国連人権理事会特別報告者の結論は?

たとえ現政府の政策に問題があったとしても、まがりなりにも選挙で選ばれた政府である。ベネズエラ内のことはベネズエラのなかで対話によって解決すべきで、米国が語る「人道的介入」、つまりは軍事侵攻だけはまねいてはならない。

ベネズエラのための緊急声明 2019(http://for-venezuela-2019-jp.strikingly.com/)

31分52秒 YouTubeで見る WMV 再生 PLAY(WMVファイル175MB)

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●制作者から

ベネズエラ危機に私たちは沈黙するのか?

 地球の裏側、アメリカの裏庭ベネズエラでいまとんでもないことが起こりつつあります。しかし、メディアを通して伝えられることはフェイクニュースにまみれています。
 それはこんな調子です。「独裁者二コラ・マドゥーロ大統領の下で、ベネズエラ国民はハイパーインフレにあえぎ、毎日のように難民として周辺国に逃れている。その数300万人。そこに、野党の若きリーダー・フアン・グアイド議員が暫定大統領就任を宣言し、民主化を訴えている。ベネズエラにはいま2人の大統領がいる」。

 よく見かける映像は、一羽分の鶏肉の後ろに積まれた札束の山、そして、人道支援物資を拒絶するために国境の橋に並べられたコンテナの列。しかし、貨幣経済しか知らない私たちには理解できない共同体ベースの物流があるのです。その証拠に餓死者が出たという話は聞かないでしょう。
 ハイパーインフレは、ここ数年のアメリカを中心とする徹底した経済制裁によってもたらされたものです。国連の事件理事会の報告者アルフレッド・デサイヤスは「経済制裁こそが人道に対する罪」とさえ指摘しています。
 また、人道支援の実態は、親米国家コロンビアを通してアメリカの物資を押し付けようというもので、それを拒否するマドゥーロは非人道的であるというネガティブ・キャンペーンに利用されているだけなのです。
 いま目の前に見える現象からすべてを判断しようとするととんでもない間違いを犯すことになります。

 そもそも、グアイド議員は、ベネズエラの野党第4党のナンバー3で、これまで市民の80%以上が知らなかった人物です。トランプ政権は無名の彼に白羽の矢を立て、暫定大統領の宣言をさせたのです。おびえるグアイドを前日までアメリカが説得していたといわれています。典型的なパペットを使ったクーデタ計画にほかなりません。

 独裁 vs 民主主義・自由主義というステレオタイプがいまや世界中にばらまかれています。考えてみれば、アメリカが他国の内政に干渉するときには、必ずと言っていいほど、こうした単純な図式を用いてきました。冷戦後の民族紛争や内戦の時期には、独裁政権を倒すために「人道的介入」と称する軍事行動をあちこちで行いました。イラク攻撃のときも国連決議の拡大解釈で多くの市民を巻き添えにしました。リビアでもシリアでも同様のことが起こりました。ベネズエラ包囲もその延長線上にあります。次はイランということになるかもしれません。

 こうしたアメリカの単独行動主義とトランプの独善主義に、日本はどこまでも追随していこうとしています。ベネズエラの例を見れば、沖縄の米軍基地、地位協定に対する隷属の意味も理解できるでしょう。
 目の前でフェイク・クーデタが起こりつつあるときに、思考停止に陥り、手をこまぬいていていいのでしょうか。
(桜井均)

●登場する発言者

セイコウ・イシカワ駐日本ベネズエラ大使

勝俣誠(明治学院大学国際平和研究所)
山田厚史(デモクラシータイムス)
西谷修(思想史・立教大学)
桜井均(元NHKプロデューサー)
清宮美稚子(岩波「世界」前編集長)
新藤道弘(ラテンアメリカ研究)

●関連サイト

ベネズエラのための緊急声明 2019(http://for-venezuela-2019-jp.strikingly.com/)

●関連映像

◎ベネズエラの現状を経緯も含めてじっくり解説していて、わかりやすい。
緊迫!ベネズエラ〜米国軍事介入はあるのか 伊高浩昭×高瀬毅【デモクラシータイムス TheBurningIssues】46分、2019年2月27日収録(https://youtu.be/tL6suTDeLqk)


【山田厚史の闇と死角+映像ドキュメント】ベネズエラの迫る危機 2019年2月19日
(https://youtu.be/OVLloB04YE0)


◎現地に取材したビデオ・リポート。軍事介入の必要はまったくないのがわかるし、もし軍事介入が行われたなら、これらの人びとが生きている社会を破壊することになる。
ベネズエラ、隠された動機 /エルナンド・カルボ・オスピナ監督によるドキュメンタリー
37分、2017年8月(https://youtu.be/sJB2kH4pVk4)


●関連資料

国連人権理事会のアルフレッド・デ・ゼイヤス特別報告者の報告書(2018年8月3日付)の抜粋は以下で読むことができる。
独立専門家アルフレッド・デ・ゼイヤス氏による民主的かつ公正な国際秩序の推進に関する報告書(要点) (http://venezuela.or.jp/news/1986/)
英語の原文(https://undocs.org/A/HRC/39/47/ADD.1)

またゼイヤス元特別報告者が最近、国連事務総長と国連人権高等弁務官へ送った書簡を日本語で読むことができる。
アルフレッド・デ・ゼイヤスからアントニオ・グテレス国連事務総長及びミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官への公開書簡(2019年2月23日付)(http://venezuela.or.jp/news/2159/)


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掲載2019年3月5日
更新2019年3月7日